春、ベランダに見覚えのない植物が芽を出してきたので、どんな植物なのか、試しに少し大きくなるのを見届けようと思いました。
初夏にクランベリーのような実をつけたので、昔の記憶が蘇ってきました。
実(じつ)は桑の実だったのです。周囲に桑を栽培している農家はないはずなのですが、どこからか飛来したのでしょう。
小学生の頃、登下校の道すがら、よくつまんで口に入れて口の周りを紫色にしたものでした。
群馬のこの辺では、この実をドドメと呼びます。
この名の由来として、おもしろい説があります。
土手などの土砂が崩れるのを防ぐため、土を盛ることを「土留め」といいます。
桑の木は根張りが強いため、これを土手に植えると「土留め」に役立つ、つまり土留めになる木という意味でドドメと呼んだというのです。それがいつの間にか、木より実の名前として使われるようになったという説です。
広辞苑などにもこのような説明はありませんので、ことの真偽は確かではありませんが、頷ける説ですよね。 06.9月