何年ぶりでしょうか、ペン、つまり万年筆を持ちたいと思ったのは。
気づいてみれば、安楽なボールペンとのつき合いに慣れきっていました。
普段私の書く字は全く美しくないので、(ということは、その気になれば多少綺麗に書けると言い訳しているわけですが)それはともかく、いい道具を持っていながらその結果である作品が美しくないというのは、私の信条に合わないのです(ちょっとカッコつけすぎですね)。
以前少し触れましたが、歯科治療において、いい道具を持つことで結果に責任を持つというプレッシャーを自分にかけるというお話をしました。
一方で、少し丁寧に字を書く時間を楽しみたいと思う歳になったのかもしれません。
そこで、ふと頭に浮かんだのがパイロットキャプレス。
私の中学時代に、入学祝いとして多くの生徒が持っていたのがこれでした。
当然、当時それほど高価なものではありませんでした。
でも今になって、あのデザインとメカに懐かしさを覚え、ネットで調べてみると、なんと、今でも現役で販売されているではありませんか。
つまり、半世紀以上大きなデザインの変更なく生産されているのです。普通のキャップ式のペンならさもありなん、当時としてはキャップがない(だからCaplessなんですが)ペンというのは明らかに反主流派です。しかも、メカが増える分、故障も多くなるはずです。それが半世紀以上、もちろん細かな改良はしているでしょうが、ほぼ当時のデザインを踏襲して現役で販売されているというのは驚きです。 ちょっと興奮してしまいました。
写真がさっそく購入したキャプレスで、左がペン先格納時の状態、右が臨戦態勢(?)の状態。
名入れでも1万円台でした。とにかくフォルムが美しいでしょ。
そういえば、以前ご紹介したワインのソムリエナイフ(2010年10月)に似ているような。こういう、ギリシャ建築のエンタシスのようなふくらみのあるフォルムが個人的好みなのかもしれません。
で、色はダークブルーに金メッキ。なにか、英国のクルマのイメージでしょうか。
まだ眺めているばかりで使っていません。でも、この見ているだけの楽しみをもう少し味わいたいと思います。