薔薇バサミって、ご存知ですか。
私が愛用していたのはフィンランド製のFiskarsという老舗の商品です。
剪定バサミの一種なんですが、通常の剪定バサミより小振りで、一番の特徴はバラの茎を切った際に切り落とされずにハサミが切った茎をきちんと把持していることです。
つまり、切った瞬間に切断した部分をハサミが挟んでいて、回収できるということです。
言葉で表現すると難しいですね。
つまり(また、「つまり」が出てしまいました。全くのボキャ貧です)、道具であるハサミの切断部分に、本来の目的である切断部と切断した部分を把持する部分が接続一体化しているということです。
実は、歯科で矯正治療に使われるセーフティエンドカッターも同じ原理なのです。
(ワイヤーを切断する際、切れ端が口腔に飛ばないように把持する構造になっています、右図参照)
なかなかのアイデア商品ですが、以前このブログでご紹介したこともあるこの便利な道具、先日のダウンバーストの際に行方不明になってしまいました。
しばらく見つけましたがとうとう見つからず、しかたなしに今回、新規購入しました。
これまで使っていたものがしっくり手になじんでいたので、まだ新品に違和感を感じます。
面白いもので、道具に慣れ親しんでくると、その鈍りや遊びにも手が馴染んでしまい、切れ味がいいはずなのに新品はしばらく「自分のもの」になるのに時間がかかりそうです。
道具って、実に深いですね。