昨年の秋、学校の飼育係をしていたうちの娘(当時小学6年生)が、何を思ったか、学校で飼っていたウサギを1匹抱いて帰ってきました。
学校のウサギが増え過ぎたので、家で飼える人はもらってほしいということになったようです。
まだ生後2、3か月の三毛猫のようなかわいいウサギでした。
当初、家では飼えないからと反対したのですが、2、3日おいておくうちに情が移るといいましょうか、いなくなったら寂しいという気持ちになり、とうとう飼うことにしました。
庭で猫に襲われてはかわいそうということで、ベランダでほとんど放し飼いの状態で飼い始めました。
ちなみに我が家のベランダはかなり広い方で、そこで私がバラや多くの植物を育てています。
以前どなたかに、ウサギの糞がキャベツの肥料に向いているという話を聞いたことがあり、私としてはバラの肥料にもきっとなるはずだと、その恩恵を密かに期待していました。
翌朝ベランダを覗いてみて、あまりの予想外の状況に唖然としました。
バラの枝という枝がことごとく切断されているではありませんか。
あのとげだらけの枝をウサギが食いちぎるとは思ってもいませんでした。
しかも現行犯の犯人はそれを実においしそうに咀嚼しているのです。
ウサギの糞をバラの肥料にしようという計画は、糞の所有者に本来の目的であるバラを食われて、その糞の使用目的がなくなるという笑うに笑えない顛末となり、頓挫したかに思えました。
ところが、ウサギに枝を食われたのが昨年の秋から冬にかけてというのがミソなのです。
もちろん、小さい株のバラのなかには、ウサギが原因で枯れたものもありましたが、かえって新しいシュート(根元から出る新芽)が促進され、立派な花をつけたものも多かったのです。根元から食いちぎられたホップもかわいい芽を出しました。