人生でやらないと後悔すること

2024年7月



医学博士で能力開発コンサルタントの森田敏宏さんのブログがあります。
その中で、「人生でやらないと後悔すること トップ5」というのがありました。
 勝手に私なりのコメントをつけてご紹介します。ちなみに「」内はご本人の言です。
第5位は「効率化」
第4位は「移動時間を有効に使う」
この二つはやや同義的です。
 限られた人生、無駄を省き、出来るだけ時間を有効に使おうという意味だと思います。
そして第3位は「歯科検診」
ご本人の言によれば、
「定期的に歯医者に通うことで、虫歯や歯周病を予防することができます。虫歯が原因で心臓に感染症が広がり、命に関わることもあります。毎日の歯磨きやフロスの使用に加え、定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。」
とあります。
 「命に関わる」というのは、かなり重症のケースだと思いますが、主旨として私たち歯科医療従事者の訴えたいことを代弁してくれています。
次に第2位は「朝の運動」です。
「私自身、朝のジョギングを習慣にすることで、体調が非常に良くなりました。運動によって代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなります。また、仕事や勉強の効率も向上します。
朝の運動を習慣化することで、一日を活力に満ちた状態で始めることができます。」
筋力をつければその分基礎代謝量が上がりますから、免疫力の向上も期待できます。
そして第1位は「家族と旅行に行くこと」です。
「特に親が健康なうちに、家族で思い出を作るために旅行に行くことを強くおすすめします。病気が見つかってからではなく、元気なうちに旅行に行くことで、貴重な思い出を作ることができます。
思い出は一生残るものですから、ぜひ家族と一緒に楽しい時間を過ごしていただきたいと思います。」
 身体の健康面だけでなく、心も大切にした「やらないと後悔すること」でした。

 さて、3番目の「歯科検診」に対する、私なりの考えを述べたいと思います。
当院でも、お口の中の健康を維持するために、定期的な受診をされる方は、年々増加しています。
おそらく、全体の8割以上ではないでしょうか。
 継続することは立派なことでもあり、また、検診の意義をきちんと理解されているのだと思います。
そしてもう一つ、定期的な受診は、皆さんと私たちとの信頼関係がないと絶対に成り立たないのです。
痛かったり不自由だったりすれば、気が向かなくても止むを得ず医療機関を受診するでしょう。
そして医療機関への受診の動機としては、それが一般的に最も多いのです。別の言い方をするなら、多くの方は痛みがあったり困りごとがあって初めて健康の大切さを実感するのです。
でも、そういった主訴がなくても、自発的、継続的に来院するという行為は、それより格段にレベルの高い意識から生まれるのです。
ご自分の健康管理の主体はもちろんご自身です。
健康管理のための定期的な受診の目的は、
・管理が十分できていることの確認 
・ご自分で気づかないリスクのチェック
です。
ですから、何もしなくて済むのがベストです。
日本の公的医療制度は概ね出来高払い制です(一部包括制になっているものもあります)。
出来高払い制は、個々の処置に対し、それぞれ点数という評価がつけられています。
ですから、処置や治療をするほど医療機関の収入は増えます。
ちなみに包括制は、疾病に対する一連の処置全体の評価が予め決められていますから、処置や治療が多くなると、医療機関の持ち出し分が増え、医療機関の利益は減ります。
何れにせよ、皆さんと私たちの信頼関係がなければ、皆さんは本来の処置より過剰な処置を行っていないか、あるいは本来必要な処置が十分なされていないかと、不安になります。こんな疑心暗鬼の関係では、処置する側もされる側も精神衛生上好ましくないでしょう。なんだか、世知辛くなりますよね。
 定期的な受診であれば、主訴がないことが多いのですから、なおのことこの信頼関係は重要です。
 私たち医療機関側も、定期的な受診をされている方々には、こちらも信用されているという前提で処置にあたっていますから、不要なプレッシャーを感じず正しい処置や指導、そしてご相談に対する提案ができます。
 お口の状態に関する悩みや気になることは、ぜひお聞きください。わかる範囲でお答えしますし、その場でわからなければ、調べて後日お答えするようにします。
現在、月、水、土は歯科医2人体制ですから、その時であれば、それ以外のご相談にもある程度(状況によりますが)、応じられると思います。
 一方で、皆様からのご相談は、実は私たち医療機関側のノウハウの蓄積としても、とても重要な財産となるのです。
 例えば、「〇〇の疾患の際には、患者さんはこういう訴えをすることが多い」という情報は、患者さんからの自覚症状の説明で初めてわかることなのです。この情報が多ければ多いほど、その他の患者さんに対してのより正確な診断に繋がるのです。
 症状がないことを祈りながらも、症状は決して無駄にはなりません。

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