私の健康法

2020年2月



 これまで院内だより「あおば」では、執筆時点における医療や医学の客観的事実に基づいて、皆さんに役立つであろうと思われるテーマを扱ってきました。
 ところで、皆さんに偉そうなことを言っている私自身がどんな健康法を実践しているかについては、あまり触れたことはありませんでした。
 そこで今回は、「私の健康法」の実践編を恥ずかしながらご紹介したいと思います。とりあえず長年続けている無理のない習慣です。
 さて、健康を語るとき、まずは睡眠と食事、そして運動、さらに精神衛生に触れなくてはなりません。
 では、まず睡眠から。
 受験時代も含め、私はこれまで徹夜をした経験はありません。
 ここ20年、睡眠時間は午睡も含め、最低7時間はとるようにしています。
 ただ最近は年齢のせいか、夜中に一度目が覚めるようになりました。
 以前は、それで眠れないとなんとか寝ようとするあまり、焦りが脳を刺激し、かえって眠れなくなるという悪循環を生んでいました。最近では、途中で目が覚めたら無理に寝ようとせず、軽度の眼精疲労を誘発すべく、本を読んだり音楽や紀行番組の編集をしたりしています。すると大抵30分ほどで目が疲れ、眠くなってきます。
 午後の診療に集中するため、午睡は必ずとっています。時間として30分ほどですが、タイマーをかけてもほとんどの場合、私のほうが先に目覚めタイマーを止めます。いずれにしても睡眠は大事です。
 次に食事ですが、血液検査をしても異常値が出ないため、好きなものを食べています。異常値が出ないというのはある意味困ったもので、どう気をつけたらいいかの指針がないのです。
 ただ、例えば「最近肉を食べ過ぎかな」と感じたらそれを控え気味にするといった意識はしています。
 ちょっと自慢に聞こえるかもしれませんが、身長167cmの私は、40歳以降、ウェストは79cm、体重は62〜63kgでほとんど変わっていません。しかし、さすがに下腹部はたるんできているので、やはり摂取カロリーには気をつけています(栄養士の方々は、夕食の時間とカロリーに気をつけるようにと言われます)。重労働をしていない私くらいの年齢では、1日1500kcalで十分ではないでしょうか。
 朝食は欠かさずしっかり摂っています。
 夕食は通常19時前に摂り始めるようにしています。問題はカロリーです。基礎代謝量が低下しているこの年齢にして、ほとんど毎晩ワインを飲むので(これが何よりの楽しみなのです)、夕食については少なからずカロリーオーバーしていると思います。
 ただその分、昼食はかなり抑えて、果物と味噌汁くらいにしています。ちょっと物足りないのですが、夜のワインを楽しみにして我慢しています。
 それでも、慣れるとその状態が当たり前になるので不思議なものです。

 さて運動です。
 スポーツが嫌いなわけではありません。若い頃はテニスをしていました。でも最近は、これといった運動はほとんどしていません。
 ただし、体操に近いことはルーティーンとして毎日欠かさずやっています。
 まず、起床時と午睡に入る前、そして就寝時に腰痛体操と腹筋のトレーニングをします。
 横になって両足をそろえたまま膝を90度に曲げ、肩を浮かせないようにしてそろえた両膝を左右の床まで曲げ一瞬止めます。これを6回から8回行います。
 その間、口では「あいうべ体操」をします。
 その後、膝を胸に近づけたまま、左右に10回ほど軽く動かし腹筋を鍛えます。
 最後に、10回ほど床から腰を浮かします。
 この体操で体は温まり、起床時には脳や体の覚醒を促し、就寝時には眠りの導入をスムーズにします。
 その他、朝は6時25分から10分間のテレビ体操(テレビで模範的な動きを見ながら行うことが肝心です)、風呂上りにはドライヤーで髪を乾かしながら腿上げ、あるいはその場で走る動作を50回ほど行います。これにより髪の乾燥も早まります。
 腿上げの場合、洗面所の鏡のある位置より上まで(水平以上)に挙げ、一瞬止めるようにしています。また、時には四股を踏むように、足を左右にあげる体操も行います。
 回数は、体調により無理をしないように多少増減しています。
 ちなみに、入浴中は肘掛に肘を置き、お尻はバスタブの底から浮かすようにしています。
 このくらいの運動(体操)量だと、毎日行うことも億劫にはなりません。

 ところで、診療中に歩数計をつけてみると、約5000歩から6000歩にはなるので、結構動いているんですね。
 ちなみに、年末年始の休みの後には1kgほど体重が増加しますから、診療中の緊張感と移動が体調の維持に役立っているのかもしれません。
 自分の足でのちょっとした移動を億劫がらず、むしろ自分の体にプラスになると思うと苦にならないものです。
 以上、天候に関わらず行える体操ですので、参考になるものがあったら生活に取り入れて習慣化してみてください。



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