新しいことへのチャレンジを
いつもお待たせして、申し訳ありません。院長の清水です。
久しぶりに、私の普段の言葉遣いでお話させていただきます。待ち時間のイライラが少しでも解消されれば幸いです。(もちろん、これでお茶を濁そうなどとは思っておりません。できるだけお待たせしないよう、冷や汗をかきながら努力はしております)
私事ですが、この4月から県内のある歯科衛生士専門学校(歯科衛生士の養成機関)から依頼を受け、非常勤講師として、学生の教育にあたることになりました。
たまたま舞い込んできたお話でしたが、かねてより自分の専門を生かしながら診療以外でできることはないだろうかと思っていたものですから、軽率にも内容もきちんと確かめずに二つ返事で引き受けてしまいました。
自分の言ったことが理解してもらえる喜びはまた格別であろうと、教育現場の先生方の御苦労も知らずに、無責任な期待に胸をはずませています。
「二兎を追うものは一兎も得ず」より「一石二鳥」のことわざを好む元来欲張りな私は、どうせ担当するなら自分もわくわくするものに限るとばかりに、学校側に「臨床から離れたものを」という注文をつけ、厚顔無恥にも生理学を担当することとなりました。講師、いや公私混同。
ここだけの話ですが、生理学なんて学生時代以来ですから、ほとんど忘れています。今の私に必要なのは、むしろ頭の中の「整理学」です。
でも、教科書をめくってみると、当初の私の期待に違わず、わくわくすることの多いこと。
久々に目にして懐かしく思い出すこと、そうかと思えば「今はこういう解釈なのか」と隔世の感を新たにすること、人生、まだまだ捨てたもんじゃありません。
自分で覚えながら(時には確認しながら)、同時に相手に理解してもらうにはどういう説明がいいだろうかと考えながら準備するのですから、例えるなら、今日学校で教わった生徒が明日は教壇に立つようなものです。(とても学生には言えません)
私は、学生が授業中に寝るのはやむをえないと思っています。でも、私語は禁止するつもりです。他人に迷惑をかけるかどうかがその基準です。でも、できるだけ眠気を誘わないよう工夫しようと思っています。なにせ、生理学担当ですから『睡眠』は勉強したばかりの得意分野です。
授業中、教科書ばかりを上から覗いていると眠くなるものなんです。いえ、経験者が言うのですから間違いありません。(幸い私の講義は木曜日の最初の時間ですからまだ救われます。午後の講義の先生は気の毒です、心からお悔やみ申し上げます)
今や世の中はIT時代(といわれてもう久しいのですが)。
そこで、授業はノートパソコンをプロジェクターにつないでスクリーンに投影して行なうつもりです。
教科書の内容を自分なりに解釈して、舌を噛まないためにもできるだけ自分の言葉での表現に努めています。また、教科書に記載されている図などは色っぽくなくていけません。
幸いにも、きれいな絵や写真入りの本(グラフィックとかアトラスといいます)が本棚にたくさん眠っていましたので、これらをパソコンにスキャン(パソコンにコピーのように取り込むこと)して使わせてもらうつもりです。もちろん著作権の問題がありますから言い訳程度には加工しますが。
どんな資料を作るかがまた楽しいのです。ここ2ヶ月、休日はこの作業に没頭しています。
「この話を少し掘り下げてみよう」などと考えると、関連するいろんな文献を調べることになりますが、そんな時、「目から鱗」の話題が手にはいるものなんです。
たとえば、脳には神経細胞体、いわゆるニューロンとよばれる中枢を構成する細胞が無数にありますが、あのアインシュタインの脳のニューロン数は一般的な人と大差なかったそうです。違いはグリア細胞の数だそうです。グリア細胞とは、ニューロンに隣接して存在し、ニューロンに栄養を供給したり、ニューロンの老廃物を処理するという機能をもった細胞のことです。
なんて知ったかぶっていますが、単なる受け売りです。が、こんな話題も面白いんじゃないかと思っています。
授業中のあくび、これは大歓迎です。
あくびは、機能が低下しそうになった脳へ新鮮血を供給するための正当な行為なのです。目をさまそうとする不随意的行為(もちろん随意的に行なうことも可能)ですので、これを先生は叱ってはいけません。
生徒があくびをする場合は、授業が退屈したか、もしくは睡眠不足、満腹等が原因ですので、先生は作戦を変更するバロメーターと考えるべきだと思います。
ほとんど生理学に漬かっていますね。
その後の展開はまた後日ご報告します。
長々とおつき合いいただき、ありがとうございました。
03.05
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