電動歯ブラシの使い方


 最近流行の電動歯ブラシ、皆さんはお使いになったことはありますか?ムシ歯や歯周病予防の救世主になればすばらしいことですね。実をいうと、私は10年程前までは電動はブラシの使用には消極的でした。その理由は、
・ ブラシが硬い・ 動きが速すぎる・ ヘッドが大きい ということでした。
 これにより、使い方を誤ると歯肉や歯にかえってダメージを与えたり、毛先が届いてほしい場所に届かなかったりするからです。でもこの間、改良に改良が重ねられ、手用歯ブラシでの清掃、管理に代わりうる道具として普及してきました。
 普通電動歯ブラシといわれるものは、ヘッドの部分が毎分数千回(毎秒約50〜60回)の往復運動もしくは回転運動をして、毛先が歯や歯肉に対し擦掃(さっそう=ブラッシング)効果を発揮します。
 私たちがブラッシング指導をする時、よく「ブラシのヘッドを細かく動かすように」という表現をします。
例えばブラシを前方に動かしたとき、毛先は後方になびき、反対にブラシを後方へ動かしたときは、前方へとなびきます。そして、前方から後方へ方向転換する時に、毛先が瞬間的に直立して奥まった部分に入り込みます。まさにこの瞬間に歯ブラシが本領を発揮するのです。つまり、この「毛先の直立する瞬間」の数と場所が多ければ多い程、ブラッシング効果は高まるわけです。段差があったり奥まっている部分で、なるべく多くこの「毛先の直立する瞬間」を作ること、すなわち細かく動かすことがブラッシングでは最も重要なことなのです。
 以上は手用の歯ブラシでのコツなのですが、電動歯ブラシはまさにこの細かい振動を手用では不可能な回数行なうことができます。また、その素早い動きはそれだけでも平らな面のブラッシング効果を高めることができます。なかには、細かい動きで毎分30000回以上の振動をする高性能な電動歯ブラシもあり、毛先が直接細菌に接触しなくても細菌の表面構造を破壊できるといううたい文句のものも登場するようになりました。しかし、電動歯ブラシは万能ではありません。そして使用法を誤ると、動きが素早いだけ歯や歯肉へのダメージも大きくなります。
 注意点としては、
* 歯や歯肉に毛先を押しつけ過ぎない
* 同じ位置に長時間あてない
* 歯磨き剤は使用しないほうが無難(研磨剤が含まれていなければ大丈夫)
* 毛先の硬いものは避ける 等があげられます。
 手用でも電動でも、ブラッシング効果があがりきれいになった状態を体験し、常にその状態になるよう意識してブラッシングすることが大切です。
04.03
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