健康への投資


 先日の新聞に、この不況の中、1500cc以下の小さなクルマがよく売れていて、新車販売の6割を占めているとの記事が掲載されていました。不況ゆえの購入費、燃費を含めた経費、環境問題から小さなクルマに注目が集まるのは当然のことだと思います。ところが、150万円台のクルマを6年乗ったとして、駐車場代や保険料等を合わせると、年間の負担額は60万円を超えてしまうそうで、結局購入額のおよそ2倍の支出をしていることになります。月に換算すれば、使おうが使うまいが5万円です。知らず知らずにすごい出費をしているんですね。そしてこれに気づかないとしたら、ちょっと怖いですね。
 さて、では皆さんは、自分自身の健康にどのくらいの出費をしていますか?自動車以上の投資をしていますか?
広い意味での「健康への投資」は必ずしも医療に限らず、たとえば今はやりのエステなども含まれると思います。若さや美容を手に入れることにより、また、自分の身体的な悩みが解消され、結果として精神的にプラスになれば、やはりこれらも「健康への投資」といえるのではないでしょうか。
 歯科の分野では、半年や1年に一度、歯科の検診を受けて、歯石をとったり小さなむし歯の処置をしたとしても、クルマに比べればずいぶん負担は少ないと思います。また、検診により、大きな問題がなかったことが確認できるだけでも、気分的に安心できるのではないでしょうか。
 ところが、忙しかったり、治療に対する恐怖心があると、なかなか歯科医院への足は遠のきがちになります。でも、大がかりな処置で大変な思いをしたり出費をすることを考えれば、検診への投資は、ひとつの「保険」とも考えられるでしょう。
 こう考えると、「健康への投資」とは単に健康のために使う費用だけではなく、健康のために使う気持ちや時間なども含まれるように思えます。
 いま、物質文明に対する評価が変わりつつあります。物を所有することに価値があった時代は、バブルの崩壊とともに終わりました。物はあくまで目標に向かうための道具に過ぎません。人々の関心が物に偏り、そして急に訪れた不況という試練の中で、己の価値観をコントロールできずに起こされた悲しい事件があとを絶ちません。
 皆さんにとって大切なものは何ですか?家族であり、友人であるはずです。
そして何よりも健康ではないでしょうか。
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