「たかが歯ブラシ、されど歯ブラシ」
これまで、このテーマについては続編まで出して述べてきました。
今回は、ちょっと別の方向から歯ブラシを見直してみましょう。
といっても、歯ブラシ本来の目的は、歯や歯の周辺に残った細菌や汚れを取り除くことです。使い込んで毛先が曲がってしまった歯ブラシは、当然この歯ブラシ本来の使命を全うすることはもはやできなくなります。
「歯ブラシ エコ編」とは、こうなった歯ブラシをさらに使おうというものではありません。役目を終えた歯ブラシに第二の「歯ブラシ人生」を送ってもらおうということです。
第二の「歯ブラシ人生」は、バスルームのタイルの目地の掃除器具としての再利用です。
そのままでも使うことはできますが、植毛部のすぐ下のネックの部分を毛先と反対側に曲げると、掃除の際タイル面に指がぶつからず、かつブラシに力が入りやすくなります。
ネック部をバーナーで熱し、軽く指で力を加えると簡単に曲がります。熱を加え過ぎると溶けたり焦げたりしますから、「少し加熱しては曲げる」を繰り返したほうがうまくいくようです。
最近の歯ブラシの毛は、ナイロンやポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、さらにナイロンを芯としてPBTでコーティングしたもの(毛先が極細のブラシはこのタイプ)が主流です。
ホームセンターでタイル目地用のブラシが販売されていますが、歯ブラシを加工したもののほうが清掃効率、耐久性ともずっと優っているというのが私の感想です。特にPBT製のものは耐久性抜群です。まさしく歯ブラシの性能に脱帽です。
皆さんの歯ブラシの第一の人生はどのくらいでしょうか。
私は朝晩は自宅の歯ブラシ、昼は診療所の歯ブラシを使用していますが、自宅の歯ブラシの使用期間はだいたい3週間です。
毛先の開いてきた歯ブラシはコシがなくなるとともに、ねらった部分や方向に毛先が当たりにくくなり、清掃効果は極端に低下します。
毛先がちょっと開いてきたなと思ったら、その歯ブラシには第二の人生を送ってもらい、新しいものに交換しましょう。
タイル目地の掃除に新品の歯ブラシを使ってはどうか?
もちろんそのほうが清掃効果は高いでしょうが、それはあまりにももったいないですね。