歯の着色

2016年8月



 今回は、歯の着色についてお話しします。
 歯の着色には、大きく分けて外因性のものと内因性のものがあります。
前者は、口に入れた飲食物によって起こる歯の表面的な色素沈着等を指し、後者は歯自体が色素等で変色したものを指します。
 
*表面的な着色について
 以下の飲食物をよく摂取する方は、着色しやすいようです。
・コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶など、タンニンを多く含んだお茶類
・赤ワイン、ぶどう、ブルーベリー、チョコレートなどポリフェノールを多く含む食品
・ カレー、ソース、ミートソースなど色の濃い食品

 また、特定の色素を作る細菌(色素産生菌)と代謝により鉄イオンを作る
菌により、歯の縁に黒い色素が沈着することがあります。家族性に見られることもあり、食生活等が関係しているのかもしれません。
 
 また、口呼吸(鼻づまり等で口で呼吸すること)していると、歯の表面が乾燥し、さらに着色しやすくなります。

 さらに、歯石やプラーク(歯垢)が付着したままになっていると、ここにいろんな色素が沈着しやすくなります。口呼吸もこれを助長します。

  その他、CR(コンポジットレジンという歯の色の詰め物)が経年的に変色したり、歯との境目に段差ができて線状に着色することもあります。

 なお、タバコの着色については、喫煙自体が百害あって一利なしなのでとにかく禁煙の努力をしてください。 「着色を落として」といわれても、すぐに着色することは目に見えていますから。

* 歯自体の変色
 むし歯が黒く見える場合は、とにかく早めの受診をお勧めします。
 また、歯髄(歯の神経)が死んでいる場合にも着色がみられます。
 薬が原因の着色もあります。
 テトラサイクリンという抗生物質(呼吸器疾患、皮膚疾患等の治療薬などに含まれている抗生物質)をおよそ12才以前に長期間服用した場合に、茶色や灰色、黒褐色になることがあります。
 また、「年齢とともに歯が黄ばんできた」と心配する方がいらっしゃいますが、一般的に、経年的(年齢的)な変化で歯の色が濃くなりますが、これはある意味自然なことなのです。

 表面的な着色は、ブラッシングや研磨により、比較的簡単に落とすことができます。
 ブラッシングで着色を落とす場合、硬めの歯ブラシの方が効率がよいようです。ただし、硬めの歯ブラシは狭い部分に入りにくく、また不適当な使い方をすると、かえって歯や歯肉を傷める場合がありますので注意が必要です。
 着色の除去を目的とした歯みがきペーストもありますが、これも常用すると、研磨剤により歯の表面を傷つけることがあります。
 
 一方、歯自体の変色の場合、処置できるものと困難なものがあります。
 詳しくは、スタッフにご相談ください。

 ちなみに、当院では、歯のホワイトニングは行っていません。
 理由は、頻回のホワイトニングは歯質や歯髄にダメージがあると考えるからです。

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