予約制へのご理解を

2009年12月



 現在の歯科医院のほとんどは予約制で診療しています。
 最近では、眼科や外科でも手術などは予約制で行っているところが多くなったようです。
 もちろん科を問わず、大きな手術ともなれば、よほど緊急を要すもの以外は予約制で行います。そのほうが体制も準備でき手術に集中できるからです。
 一方、内科や小児科、皮膚科などで予約制で診療しているところはほとんどありませんが、これは診療内容の違いによるものです。
 予約制が必要な処置とは、小手術的、つまり手作業が主体の処置の場合が多く、その処置にある程度の時間を要し、かつその時間がある程度予測できるものが多いのです。
 一方で後者の診療科はいわゆる内科系で、診断と投薬といった診療が中心となります。急患の方も多いので、予約制では需要に応じることはできません。また、一方で慢性疾患の方も多いのですが、この場合には既に診断はすんでいますから、経過の確認等が中心となり、これも通常さほど時間を要しません。もちろん透析等、時間のかかる処置は当然予約制で行います。
 歯科の処置はどうかというと、ご存知の通り手作業が中心です。しかも細かい作業がほとんどで、どうしてもある程度の時間を要します。また、計画的に処置や管理を進めなくてはならない場合が多く、その意味でも予約制が適しているのです。
 
 話は変わり、ホテルも予約で利用することが多いでしょう。
 これは、部屋数が決まっていますから、ホテル側も利用する側もあらかじめ予約で契約する方が、部屋や人員、そして時間も無駄なく使えるからです。
 しかし、ホテルの予約を宿泊日直前や当日にキャンセルすると、客側はキャンセル料を支払わなければなりません。その客のために確保準備しておいた部屋や人員が無駄になるからです。
 歯科でも、当日のキャンセル、また無断のキャンセルでは同様のことが起こります。医院にとってはその時間が無駄になり、当の患者さんにとっては予定の処置が受けられず、計画にずれが生じてしまいます。
 しかし、患者さんがキャンセル料を請求されることはありません。
 それは、保険診療では、キャンセル料という点数はないからです。
(自費診療では、医療機関によってはキャンセル料を請求されることもあるようです)
 いつも予約を守っている方がたまたま忘れたり、急用や急病でやむをえずキャンセルするということは、いたしかたないと思います。
 しかし、いつも予約を忘れたり、当日にキャンセルする傾向のある方、家族2、3人でキャンセルする方は、是非予約制をご理解いただき、できるだけ予約を守っていただけるよう、お願いいたします。
 たとえば、4回に一度しか予約通りに来院されない方は、ご本人は気づかないでしょうが、医院側は1/4の治療費で診療していることになるのです。
本音をいうと、これはボランティアで診療しているようなものですが、わが国では保険医は診療拒否はできないのです(笑)。
 「医は仁術」とはいいますが、一方できちんとした医療は、患者さんと医院との信頼関係の上で成り立つものです。
 指示や指導、約束を守ってきちんと来院してくださる方には、こちらは最善を尽くして診療させていただく所存です。

 もちろん、時間を守ってくださる患者さんから「時間通りに行ってもずいぶん待たせるじゃないか」と言われないためにも、当方にも予約の時間を守る義務があります。
 ただし、医療機関という性格上、緊急を要する急患の方が来院したときや、処置に想定外の時間がかかってしまったときは、多少お待ちいただくこともありますので、その際はご容赦ください。
(時間に余裕のない場合は、その旨受付にお伝えください)
 急患の場合でも、できれば事前にお電話いただけると、受け入れしやすい時間の提示や処置の予測ができるので、こちらとしてはとても助かります。
 また、事情は理解できないわけではないのですが、「たまたま痛みがあって来院したが、ついでなので次回の予定の処置もしてほしい」とか、「この子が痛がっているので来院したが、ついでに下の子も検診してほしい」といった希望は、実質的に予定外に二人分の時間がかかりますので、できるだけご遠慮いただければ幸いです。
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