歯列矯正について


 「笑顔で迎えるお正月」
といきたいところですが、口元に自信がないととびっきりのハッピースマイルを浮かべるのにちょっとばかり臆してしまいがちです。乱れた歯並びや噛み合わせの異常は、外見やそれによる精神面への影響ばかりではなく、むし歯や歯周病、顎(がく)関節症の原因にもなります。
 最近は、学校での歯科検診に歯肉炎とともに歯並びの項目が設けられ、また一方では、ワイヤーなどの矯正装置をつけている児童や生徒を見ることはそう珍しくなくなりました。今回は、矯正治療を考えている方が抱く疑問や不安に少しお答えしてみましょう。

*治療の開始時期について
 反対咬合(受け口)など骨格自体に問題がある場合は、就学時を一つの目安にします。乱杭歯(らんぐいば)等、歯の位置だけに問題がある場合には横の歯のはえかわりの時期、つまり10歳前後が目安になります。 この判断は一般の方には難しい場合がありますから、心配な時は歯科医に相談してください。

*治療が可能な年齢について
 最適な時期は上に述べたとおりですが、原則的には何歳でも治療は可能です。
 ただし歯周病で歯を支えている骨の量が減少している場合には、治療が難しくなると同時に、歯周病の治療を優先して行う必要があります。
 
*どこで治療が受けられるか
 矯正歯科専門医か、矯正歯科を標榜している歯科医院で治療が受けられます。最初の相談は主治医でよいと思います。

*期間について
 子供の場合には、永久歯がはえそろうまでを一つの目安にしてください。

 成人の場合には、簡単な場合半年から1年、難しい場合には2?3年と考えてください。またその後に、保定(矯正した歯並びを維持する)期間が、治療期間と同様かそれ以上必要となります。

*健康保険の適用について
 口唇裂等、特殊な場合を除き、保険は適用されません。

*費用について
 最も気になる事かもしれませんが、医院や症例によって異なります。また支払方法も異なりますから、相談の際にざっくばらんにたずねたほうがよいでしょう。

 現在、歯列矯正は美容的要素が大きいとみなされていて、医療保険が適用されていません。しかし実際には、先に挙げた理由で医療面から扱われなくてはならない場合も数多くあります。この事情に対する厚生省の正確な理解と適切な対応を切に願うものです。
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