そうだったのか語源⑲ −スポーツに関わるトリビア−

今回は、スポーツにまつわる言葉の由来を幾つか取り上げてみたい。

 

*サッカー

サッカーという呼び名は米国で使われ、英国ではフットボールという。

足を使うスポーツだからfootballという名称は合点がいく。世界的には、フットボールの名称のほうが圧倒的に多く使われている。

ではsoccerとはいかに?

実は、正式名称はassociation footballというのだそうだ。このassociationの「soc(仲間の意)」に発音しやすいように「c」を付け、人を意味する-erをつけたものがsoccerである。語尾に-erをつけて通称とする呼び方では、rugby=ラグビーの通称がrugger=ラガーであるのと同様である。

さて、サッカーのルールにoff side=オフサイドというのがある。

「反則の位置」と訳されているのだが、これはもともと軍事用語で、「味方の戦力から外され、敵陣の陰に捕えられた兵士」を指したらしい。そこから、

「敵陣の中の、いてはいけない場所にいること」となったらしい。つまり自分や味方の側がon sideで、相手や敵側がoff sideと考えると理解しやすい。

敵陣、つまりゴール側に一人待っていて、そこへボールをパスすれば簡単に得点できて、ゲームとしては面白みに欠けるのであろう。

ちなみに英国では道路上でもこの用語は使われ、中央寄り、つまり対向車線に近いほうをoff side(相手側)、路肩側をon side(自分側)と呼ぶ。

 

*ラグビー

「ノーサイド」は、ラグビーでは試合終了のことを指す(英語圏でもかつては「No side」が使われていたが、現在では「Full time」が使われている)。

戦いが終わったら、両軍のサイドが無くなって同じ仲間だという精神に由来する。なんと崇高なスポーツマンシップか。

knock on=「ノックオン」は、ボールを前方に落とす反則を指す。knockには「叩く」という意味の他に「落とす」という意味もある。

 

*テニス

テニスのカウントの仕方は変わっている。

まず、0のことをlove=ラブと言う。

テニスは11世紀にフランスで始まった。フランスでは、卵を意味する

「l ’oeuf(ロェフ)」という言葉があり、0が卵に似ていることから、0を卵と呼び、それが後に発音の似ている英語のloveに転じたらしい(諸説あるが、本説が有力)。日本語でも0を「まる」というのと似ていまいか。

0の次が15で、30、40とカウントしていく。これにも諸説ある。

「時計の文字盤を4つに分けた」「14世紀頃、プレーヤー同士の賭けの際に使われていた1ドゥニエ銅貨が4枚で60スウという金額になるため、60スウの4分の1である15スウを1つの単位とした」「(テニスの前身であるジュドポームを行っていた)修道院の生活時間が15分単位であった」というものがある。いずれにしても、3ポイント目は40ではなく、45になるはずだが、forty fiveと発音するのが面倒なので簡略化して40としたとの説もある。

 

*野球

bullpen=ブルペンとは、野球場の投球練習場を指すが、もともとはbull=牛の囲い場のことである。諸説あるが、投手を、闘牛場や屠殺場に送られるのを囲いの中で待っている牛に見立てたという説が尤もらしい。

次に、左利き投手のことをsouthpaw=サウスポーと呼ぶ。

pawとは爪のある動物の足を指すが、口語で人の手の意味もある。つまり、「南の手」である。

かつて米国の野球場は原則的にホームベースが北西になるように作られていた。そのため、左腕の投手の手は南側から繰り出されたためにこの名前がつけられたという説が有力である。その他、米国南部出身の投手に左腕が多かったからという説もある。

投手と捕手を、蓄電池を意味するバッテリー=batteryというが、これはかつての蓄電池は2個一組だったそうで、その関係に似ているからという説、あるいは軍隊で大砲の発射を意味するラテン語のbattuere に由来するという説がある。後者では、チームを軍隊、ボールを大砲、投手から捕手ヘの投球を発射に例えているという。

野球チーム名でちょっと面白いのがロサンジェルス・ドジャーズ。

ドジャースの「dodger」とは、「ひらりと身をかわす人」という意味。

ドッジボールのdodgeもまさにその意味。

もともとドジャーズは、ニューヨークのブルックリンを本拠地とするチームだった。

当時、ブルックリン市民の足はトロリーと呼ばれる路面電車だった。

かつて日本でも、路面電車をトロリーバスと呼んでいた。

そのトロリーが来る度に、ひらりと体をかわしながら往来するブルックリン市民のことを、親しみを込めてtrolly dodgersと呼んだそうだが、これがチーム名の由来だとか。

 

*ゴルフ

一般的にOBといえばold boyで、学校の男子卒業生を指すが、ゴルフでは out of boundsの略で、「プレーできるエリア外」を意味する。boundにはボールが弾む「バウンド」という意味もあるが、その他「限界」「境界」という意味もある。

さて、ゴルフのスコア用語には鳥に関係するものが多い。

1903年、それまで誰もなし得なかったロングホールでのパー(標準打数)が破られた。その時のボールはまるで小鳥が飛んでいくように見えたとか。

そのため、パーより1打少ないスコアを鳥の幼児語でbirdy=バーディと呼ぶようになったそうである(英語ではTommy、Jimmy等、語尾に-yをつけて愛称とすることが多い)。さしずめ「小鳥ちゃん」といったところか。

そして、2打少ないスコアをさらに強いeagle=「ワシ」、3打少ないとずば抜けた飛行力を持つalbatross=「アホウドリ」と呼ぶようになったそうである。ちなみに滅多にないが、パー5のコースで4打少ないスコア、つまりホールインワンをcondor=「コンドル」というらしい。コンドルは、インカ帝国では天の神として崇められていたそうで、まさに神業なのであろう。

ちなみにパー(Par)は、もともとイギリスの株取引の用語で、金額が上下する株価の中で、一番基準となる数値のことをパーと呼んでいたそうである。

 

さて、ゴルフには、「ハンディキャップ」というルールがある。

「ハンディキャップ(handicap)」とは、英語の“hand in cap”が訛ったものだとか。

これはかつて、賭博やくじのような遊びで、大当たりで勝った人が、周囲の人が見ている中で、いくら入れたかわからないように取りすぎたお金を帽子の中に入れたことに由来するとされている。

あくまで遊びの中でのことなので、大勝ちした人は取りすぎた分を戻して一人勝ちを防ぎ、ゲームを長く楽しめるようにしたという。ある意味、人間らしい知恵といえよう。

ここから、「強い者と弱い者との差を事前になくしておく」ことを呼ぶようになったとか。

 

*ボクシング

リングが四角いからboxingではない。

boxには、動詞で「(平手や拳で)殴打する、殴り合う」という意味がある。

ちなみに、リング=ringとはもともと輪のように人々が手をつないで、その中で格闘したからというのが定説である。レスリングのリングはその名残とされている。やがて観客が見やすいように、高いところに上がって戦うようになり、選手が落ちないようにロープを張る際、ロープを張りやすいように四角になったそうである。だからring(輪)にcorner(角)があっても合点がいくのである。

さて、ボクシングの階級には面白い名前が付いている。

フライ級のfly=フライとは「ハエ」のこと、ウェルター級のwelter=ウェルターは「波のうねり」、bantam=バンタムは鶏の「チャボ」、feather=フェザーは「羽根」、cruiser=クルーザーは「巡洋艦」、そして以前あったmosquito=モスキートは「蚊」の意味である。脈絡のない命名であり、またチャボが羽根より軽いのは解せない。

 

*コーチ(番外編)

最近、いろんなスポーツでコーチが注目されている。コーチが物議を醸したスポーツ界もある。

訓練する人や指導者を指しているが、もともとcoach=コーチとはハンガリーのコチ(Kocs)という町で作られた四輪馬車のコチ(kocsi)に由来する。

それゆえ、バッグのブランドで有名なコーチには馬車のマークが付いている。

馬車が人や物を目的地へ運ぶことから、次第に「コーチ」という言葉自体が、「大事な人や物を運ぶ」「目的地に運ぶ」といった意味をもつようになったとされている。

つまり、「人を目的地まで運ぶ」→「目標達成をするためのお手伝いをする」のがコーチの職業、あるいは役割になったそうである。

(群馬県保険医新聞歯科版掲載のための原稿)

晩秋

光陰矢の如し

あれよあれよと言う間に、今年も晩秋を迎えました。

あれもこれもしなくてはとは思うのですが、パソコンのエンターキーを押すようには綺麗に片付いてはくれません。

目の前のことをひとつずつ、コツコツやっていくしかないようです。人生、65年も生きてきて、まだ学習能力が身についていません。

その間も、時間だけは確実に進んでいきます。

庭に目をやると、時間が経過した証が、言い逃れをあざ笑うかのように突きつけられます。

左の写真が、医院前のブナの木。黄葉した葉は、カサカサと音が聞こえるくらい薄く乾燥しています。落ち葉にもなりますが、多くが春まで枝先に残ります。

右は坪庭の八重のサザンカ。

もう、花びらの多くが変色し始めていて、年末の訪れを予感させます。

そうだったのか語源⑱ −略語について その3−

今回は、3文字のアルファベットの略語を中心に見てみよう。

まず、銀行の前にあるATMはautomatic [automated] teller machine の略で、「現金自動預け払い機」と和訳されている。ちなみにtellerとは、銀行の窓口係のことを指す。

最近よく耳にするIoTはinternet of thingsの略で、「モノのインターネット」と和訳(正確には完全な和訳ではない)されており、家電製品での普及が進められている。

続けてIT関係でいくつか。

家庭や職場内で、パソコンとプリンターなどを繋ぐ(無線)LANとは、local area networkの略で、限局されたエリアでの情報通信ネットワークを指す。

CD-ROMのROMはread only memory=「読み出し専用(書き込み不可)メモリ」の略、一方似ているRAMは、random access memory=「任意に書き込みできるメモリ」のことで、パソコンのメインメモリは後者である。

では、最近話題に上るシムロックのSIMとはいかに。

subscriber identity moduleの略で、きちんと和訳されたものはないが、「加入者個人特定機能」あたりがイメージしやすいのではないだろうか。

医療に関するところでは、ICUは「集中治療室」と訳されているが、intensive care unitの略である。「治療」と訳されてはいるものの、cure(治療)ではなく実質的にはcare(管理)である。ちなみに、国際基督教大学=International Christian UniversityもICUと表記される。

画像診断に使うMRIは、 磁気共鳴画像=magnetic resonance imagingの略である。 ちなみにX線を使うCTはcomputed(computerized)tomographyの略で、「コンピューター断層撮影装置」と和訳されている。

医療用のX線装置ではデジタル化が進み、そこにはCCDが使われている。

CCDは、ビデオカメラやデジタルカメラに使われている半導体素子のことで、charge-coupled device=「電荷結合素子」の略語である。

また、最近歯科ではやりのCAD/CAMだが、computer aided design/computer aided manufacturingの頭文字を繋げたもので、CADは「コンピューター援用設計」、CAMは「コンピューター援用製造」と和訳されている。

さらに、CAP:computer aided preparation(歯科関係者にしかわからない)が実現すると、歯を削る歯科医はいなくなってしまうが、これはあくまでジョーク。

さて、社名で3文字の代表格を二つだけ挙げてみよう。

パソコンのIBMは、International Business Machines Corporationの略称だが、和訳は見つからない。勝手な和訳をご容赦いただけるなら「国際事務機器(株)」といったところか。

自動車のBMWは、 Bayerische Motoren Werkeの頭文字をとった社名で、発音としては「バイエリッシェ モトーレン ヴェルケ」で、和訳すればさしずめ「バイエルン自動車工業(株)」であろうか、何だか少し庶民的な響きに変わる。

大学名では、科学技術で有名なマサチューセッツ工科大学はMassachusetts Institute of TechnologyでMITと略される。instituteは一般的に機関や研究所と和訳されるが、(工科)大学や専門学校にも使われる。

さて話は変わり、太平洋戦争時のGHQはGeneral Headquartersの略で、正式には「連合国軍最高司令官総司令部」と和訳されているが、generalなので、単に「総司令部」のほうが英語に忠実な訳と思われる。

次に、何やら怖いイメージのあるCIAとFBIだが、前者はCentral Intelligence Agency=「中央情報局」の、後者はFederal Bureau of Investigation=「連邦捜査局」のそれぞれ略である。

米国の中央銀行に当たるFRBは、The Federal Reserve Boardの略で「連邦準備制度理事会」と訳されているが、正式にはBoard of Governors of the Federal Reserve Systemと表記され、先の和訳はこちらを直訳したものと思われる。

貿易関係では、TPPはTrans- Pacific Partnership Agreementの略で、「環太平洋パートナーシップ協定」と訳されている。trans-には「横切って、貫いて」といった例えばシルクロードのようなイメージがあるので、個人的には「環」より「汎」のほうが本来の意味に近い気がする。

一方のFTAは、free trade agreement=「自由貿易協定」の、さらにEPAはeconomic partnership agreement=「経済連携協定」の略語である。

これらはややわかりにくいが、国と国(または地域)のあいだで関税をなくして、モノやサービスの自由な貿易を進めることを目的とした協定がFTA、関税の撤廃だけではなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化することを目的とした協定がEPA、それを環太平洋という広い地域で行おうというのがTPPということになる。

これら、自由貿易促進を主たる目的として創設された国際機関がWTOで、World Trade Organization=「世界貿易機関」と和訳されている。

次に交通に関係するもので、鉄道の安全な運行に欠かせないのがATS(automatic train stop device:自動列車停止装置)やATC(automatic train control device:自動列車制御装置)と呼ばれる運転保安装置である。

カーナビで利用されるGPSは、global positioning systemあるいはglobal positioning satelliteの略で、前者は「全地球測位システム」と和訳されている。

有料道路のゲートをノンストップで通過できるシステムは、ETC: electronic toll collection system=「電子料金収受システム」である。

ちなみに高速道路でのトラブルでお世話になるJAFは、 Japan Automobile Federation=「日本自動車連盟」の略称で、実態に近い「緊急」といった意味は全く込められていない。

さらに歴史のあるものでは、JISはJapanese Industrial Standard=「日本工業規格」、JASはJapanese Agricultural Standard=「日本農林規格」の略称である。

JAXAは、Japan Aerospace eXploration Agency=「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構」の略だが、直訳なら「日本航空宇宙研究開発機構」となろう。

NGOはnon-governmental organization=「非政府組織(民間公益団体とも約される)」、NPOはnonprofit organization=「非営利組織(団体)」、PKOはpeacekeeping operation=「(国連)平和維持活動」の略称である。

その他放送局関連では、米国の3大テレビネットワークはABC、NBC、CBSで、それぞれAmerican Broadcasting Company=「アメリカ放送会社」、National Broadcasting Company=「全国放送会社」、Columbia Broadcasting System=「コロムビア放送(現在はCBS Broadcasting, Inc.)」の略称である。

英国のBBCのBはもちろんブリティッシュである。

日本のNHKは「日本放送協会」という日本語の名前の頭文字をそのまま使ったもの、TBSはTokyo Broadcasting System=「東京放送(旧社名)」から命名された。

本題から逸れるが、TV局といえば「スタジオ(studio)」がつきものである。

この「studio」の語源は、「努力する場所」という意味をもつラテン語studium=「スタジアム」だそうで、本来は芸術家や写真家などの「仕事場、工房、アトリエ」を意味する名詞だとか。ちなみにスタジオとスタジアムは同じ語源から派生している。推測に難くないが、「努力して励む」が原義であるstudyももちろん同源である。

さて樹脂素材でいうと、ペットボトルは日常生活に不可欠なものとなっているが、このペットとは犬などのペットではなく、PETつまりpolyethylene terephthalate=「ポリエチレンテレフタレート」の略である。同様に、PPは「ポリプロピレン」、PVCはpolyvinyl chloride=「ポリ塩化ビニール」の略である。

ちなみに、医療で使われる「PET検査」とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、positron emission tomography=ポジトロン・エミッション・トモグラフィーの略である。

米国では企業のトップをCEOというが、これはchief executive officer=「最高経営責任者」の略である。

最後に、現在私が会長を務める群馬県保険医協会にも関係のある、やや長いIPPNWという国際組織があるが、これはinternational physicians for the prevention of nuclear war=「核戦争防止国際医師会議」の略である。

原文の中に「会議」という言葉はない。「医師の集団」で終わってしまうと組織の意味合いが弱まるので、原文も「the Congress of」で始まっても良さそうな気もするが、これはあくまで私見である。

(群馬県保険医協会歯科版掲載のための原稿)

 

 

プルメリア

10月上旬ですが、この間台風19号が記録的な猛威のまま関東の上陸しました。河川の氾濫、崖崩れ等で、多くの方が犠牲になりました。 冥福をお祈りするとともに、一刻も早い被災地の復興を願うばかりです。

さて、かつてこの頃は運動会の真っ盛りで、小学校の歓声が金木犀の香りとともに忘れ得ぬ風物詩でした。

3年前に頂いたプルメリアが今年初めて開花しました。

左は10日前の様子、燭台のようです。

中央が今朝の状態です。バニラとクチナシがミックスしたような甘い香りで、いかにも南国の風情です。

右はハナミズキの赤い実です。ポインセチアの実にも似てますが、思えばもう2ヶ月もすればクリスマスです。

光陰矢の如し、毎日を噛み締めながら過ごしたいと思います。

オリーブアナアキゾウムシ

医院の玄関前のオリーブの木が元気がありません。今年は実もあまりつけませんでした。

よくよく根元を見たら、木屑のようなものがこんもり。

調べてみたら、オリーブアナアキゾウムシの仕業でした。

直径20cmの幹に、写真の様な穴が無数に開いていました。

スミチオン(殺虫剤)を穴めがけて注入してみましたが、どうなることやら。

実生の苗木を数本取っておいたので絶滅だけは避けられそうですが、できれば愛着のある親木に残って欲しいものです。 オリーブよ、がんばれ。

写真右はハツユキカズラで、オリーブのある植え込みを埋め尽くしています。白やピンクの新葉が彩りを添えます。

とても繁殖力があり、今ではこれ以上広がらないように切り詰めていますが、それでも増えます。

 

保育園理事長退任

公務が増えたため、9年間務めたあゆみ保育園の理事長を退任しました。

3人の子供たちがお世話になったご縁から、私で何かお役に立てるならという思いでお引き受けしました。

在任中、これといって何かを成し遂げるなどということはできませんでしたが、保育園として初めて理事会という形になった当初から、何もわからず手探りでやってきたというのが正直なところです。

理事の方々、園の方々のご協力のもと、保護者ではなく、子どもたちを預かる立場になって、貴重な体験をさせていただきました。

9月28日、理事の有志による歓送迎会を開いていただきました。

頂いた花束を医院の窓口に飾らせていただきました。

 

そうだったのか語源⑰ −略語について その2−

前回に引き続き、2文字のアルファベットの略語について触れてみたい。

ごく日常的に耳にするPRは、宣伝や布教活動を意味するpropagandaの略かと思いきや、実はpublic relations=宣伝の略だそう。ま、あまり大きな問題ではない。

proportional representationもPRだが、こちらは比例代表制を意味する。

さて、午前と午後をそれぞれAM, PMというが、これはラテン語のante meridiem (英語ではbefore noon) でPMはpost meridiem(英語ではafter noon)の略である。

このanteは、イタリアンのantipasto=前菜のanteで「前」の意、postはもちろん「後」の意である。meridiemは英語ではmeridianで、空に太陽(星などでも)が最も高く上がる時=南中、つまりは正午を意味する。ちなみに、日本語の正午の「午」は、十二時辰の午の刻(うまのこく)のうちで午の正刻である。十二時辰で「午の刻」は24時間制の11時から13時までの2時間を指す。

次に、ラジオにはAMとFMがあるが、前者がamplitude modulation の、後者がfrequency modulation の略で、それぞれ振幅変調方式、周波数変調方式と和訳されている。要するに、AMは電波の強弱で音を伝え、FMは電波の強さは一定で、電波の密度で音を伝える方式ということらしい(私は理系ながらこの辺は全く不案内である)。

2文字の略語が出たついでに、紀元前をBC、紀元後をADと表記するが、前者はBefore Christ、後者はAnno Dominiの略である。後者はラテン語だが、英語では(in the Year of the Load)で、「主(しゅ)の年において」といった意味になる。

ちなみに19世紀以降から、非キリスト教徒との関係からADをCommon Era(略:CE、「共通紀元」の意)、そして紀元前(BC)をBefore Common Era(略:BCE)に切り替える動きが広まっているそうである。

キリストに関係する略語で、クリスマスをXmasと表記することがある。

これにはギリシア語が関わっている。

ギリシア語には英語の “X” に似たような形の “chi” という文字がある。その “X” に似た文字が「キリスト」を表すギリシア語 “Χριστός(Christos)” の先頭の文字である。

“christmas” のことを “Xmas” と表記する習慣は数百年も前からあったそうで、当時は “X” という文字自体がキリストを表す略語として使われていたそうである。

さて、これまでの流れとはやや関連が希薄になるが、番号を表す文字にNo.がある。

「数」を表す英語はnumberだが、ラテン語ではnumero となる。numeroは正確にはin numberの意、「数でいうと」といったところか。

このnumeroの省略形がNo.である。ラテン語では語尾変化が多いので、最初の文字と最後の文字をとって省略形とすることがよくある。例として、医療用のカルテで「同じ、同上」の意味でdoと表記することがあるが、これはdittoの省略形である。

IQは知能指数と和訳されるが、intelligence quotientの略語である。最近ではさらにEQというものが注目されているが、これは emotional intelligence quotient=情動の知能指数の略語である。

IQが「知能」の発達速度を表すのに対し、EQは仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から表すとされている。ちなみにeducational quotient=教育指数もEQだが、こちらは内容が全く異なる。

2文字の略語はさらに続く。

EUはEuropean Union=欧州連合の略であるが、これはかつてのEC(European Community=欧州共同体)から発展し、外交や安全保障政策の共通化や、ユーロによる通貨統合の実現をめざす統合体を指す。

UNはUnited Nations=国際連合の略語である。ちなみにその全身である国際連盟はLN(League of Nations)である。

米国の首都、ワシントンD.C.のD.C.はDistrict of Columbia=「コロンビア特別区」の略である。米国には50の州があり、州立大学のように州ごとに法律や制度が異なることが多い。ワシントンD.C.には国の重要な機関が多くあり、「どの州にも属さない連邦政府の直轄地」という意味が込められている。コロンビアという名は、アメリカ大陸発見者コロンブスに由来している。ちなみにColumbus=コロンブスはラテン語で鳩という意味である。

プロ野球で使われるFAはfree agentの略で、どの球団とも選手契約できる権利を持つ選手を指す。ついでにDHはdesignated hitterの略で「指名打者」と和訳されている。我々が関係する医療分野では、dental hygienist=歯科衛生士もDHと略される。

OAはoffice automationの略で、事務作業の自動化のことをいう。それを逆にしたAO入試のAOとはadmissions office=「入学管理局」の略で、学力試験を課さず、入学管理局の選考基準に基づいて入学の可否を判断する選抜制度のことをいう。

OPと略される言葉は多い。以下に代表的なものを挙げてみる。

option=オプション、選択肢、選択権

opening=オープニング、番組やコンテンツの冒頭に使われる音楽や映像

operation=オペレーション、手術、処理、操作

opus(Op.)=オーパス、音楽などの作品番号

他にも枚挙にいとまないが、まずは今回このくらいにしておこう。

(群馬県保険医協会歯科版掲載のための原稿)

テッポウユリ

8月ももう終わり、朝子供達の声も聞こえるので、この辺りの小学校では2学期も始まったようです。

ここ前橋でも、まだ日中は35℃近くまでになる日もありますが、朝夕はずいぶん涼しくなり、また1ヶ月前に比べ、日暮れが早くなったのがはっきり感じられます。

暑い時間は外に出たくなくなりますが、日差しが傾いた頃庭に出てみると、テッポウユリがあちこちに花を咲かせていました。我が家の庭はどこから種が飛んでくるのか、テッポウユリが勝手に増えています。

調べてみると、花弁の裏に紫の筋が入っているのでタカサゴユリという種類かもしれませんが、両者には混雑種が多いそうで、外見上の特定は難しいようです。

暑い時は、右の白いサルスベリ同様、白い花は心に涼やかな風を運んでくれますね。でもサルスベリは漢字で百日紅と書きますから、本当は白とは矛盾するのかもしれません。

北九州の豪雨災害が早く終息しますように。

 

そうだったのか語源⑯ −略語について その1−

最近はとにかく略語が多い。

KYが「空気読めない」の略語だというのは別として、普段何気なく使っている略語について語ってみたい。

日本語でも、中学英語の「三単現」や最近の「就活」「婚活」といった略語はあるが、漢字は表意文字ゆえ、字面からある程度意味を汲み取ることができる。

一方、アルファベットはひらがな同様表音文字のため、頭文字等で表記された略語から意味を推し量ることはできない。

したがって、アルファベットの略語は、ある業界や分野、あるいは社会で周知されているものでなければ意味がない。しかも、同字異義語が多いことにも注意が必要だ。

今回はアルファベットの略語から確認してみたい。取り上げる略語は、思いついたものとそれから派生するものを芋づる式に列挙しただけで特に深い意味はない。

まず、生活に不可欠なW.C. から。

これはwater closetの頭文字をとったもので、 closet=クローゼットには、個室や秘密の場所といった意味がある。その名の通り、水洗式になってからできた言葉で、それまでの旧式のものと区別して使われたようである。ちなみに、現在は英語圏ではあまり使われていない(rest roomやpowder room, toilet等が一般的)。

ちなみに、ウールマークの認定を行う組織もWC=The Woolmark Company である。

酸アルカリの表示に使うpH(ペーハーあるいはピーエイチ)は、水素イオン(濃度)指数と和訳されているが、potential of hydrogenの略であり、直訳すれば水素イオン力価といったところか。

ISOコードでは国名のフィリピンもPHと表記される。

近年環境汚染で注目されているPM2.5。

PMとはparticulate matterで、和訳で微小粒子状物質、あるいは粒子状汚染物質と和訳されている。2.5とは2.5μ(1ミクロン=10-6m)を表している。この大きさより小さいと、呼吸器系など健康への悪影響が大きいと考えられている。ちなみに、午後のこともpost meridiemの略でPMと表記される。

さて、すっかり社会に溶け込んだ感のあるITはinformation technologyで情報技術、最近はやりのAIはartificial intelligenceで人工知能とそれぞれ和訳されている。

ちなみに、artisticは芸術の、あるいは芸術的という形容詞であるが、もともとartはnature=自然の対義語であり、人が作ったもの、あるいは人が手を加えたものという意味合いがあったようである。そこからart-のつく人工も芸術ももともとは同源であることがわかる。

最近は「手作り」が付加価値を生むが、この語源が「自然」の対義語であることはある意味皮肉である。

次に、BSはbroadcasting satellitesで、一般的には衛星放送と訳されるが、文字通りに和訳すれば放送衛星である。この辺の事情に拘泥すると事が先に進まないのでスルーすることにしよう。

その放送番組で使われるMCとは、master of ceremony の略で、番組全体を仕切る役をいう。他に、アメリカの国会議員もMember of CongressでMCと表記される。他に、Main Characterの略で,主人公,ヒロインのことも指す。さらに、Microphone Controllerの略で、ラップをする人のことも(ヒップホップの用語)。他にも多々あるが割愛する。

さて、クルマのガラスや化粧品等で使われるUVカットのUVとはultravioletで紫外線。ではもう一方の赤外線はというと、IRでinfraredの略である。ultra(超)もinfra(下)も上下という概念で表現されているが、日本語では上下よりも内外の印象が感じられ面白い。ちなみに、近年物議を醸したIR法のIRはintegrated resortの略で、統合型リゾートと和訳されている。

IHクッキングのIHはinduction heatingの略で、誘導加熱と和訳されている。 電磁誘導により金属製の調理器具を自己発熱させ調理する仕組みである。

さて、テレビをはじめとする家電製品には、かつては真空管が使われていた。 当時の家電は、電源を入れてから起動するまでに時間を要した。それがトランジスタに、そしてICに進化し、電源を入れてから稼働するまでの時間が飛躍的に短縮された。ICはintegrated circuitの略で集積回路と和訳されているが、トランジスタやダイオード、抵抗等を一つの半導体チップにまとめたものである。

LEDはlight emitting diodeで、発光ダイオードと和訳されている。diode=ダイオードとは、整流作用をもつ電子素子で、もともとは2極真空管だった。ギリシャ語の2を表すdi-と電極を表すelectrodeとの造語である。現在はダイオードといえば半導体ダイオードを指す。

医療分野でレーザー治療は大活躍している。歯科治療でも汎用されるレーザー=LASERだが、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの略語で、「輻射の誘導放出による光増幅」と和訳されている。結果的に、光を一方向に集めて増幅させたものである。

次は軍事関連の造語について。

最近、ミサイルの脅威が叫ばれているが、兵器に関してはICBMというミサイルの名前は馴染み深い。intercontinental ballistic missileの略で、大陸間弾道ミサイルと和訳されている。このballisticはボール=ballの軌道が語源らしい(根拠のある推測)。ちなみにSLBMは、submarine-launched ballistic missileの略で、潜水艦発射弾道ミサイルと和訳されている。PAC3はPatriot Advanced Capability3の略語で、かつて湾岸戦争に使われた米国製の地対空ミサイル、パトリオット(愛国者の意)の進化型という意味であろう。

続いて、米国から輸入したP3-Cという哨戒機があるが、このPはpatrol plane=哨戒機のことを指す。この「哨」については語源の⑦で触れたので、ご興味のある方は参照されたい。

ちなみに米国では、軍用機のFはfighter=戦闘機、Bはbomber=爆撃機、Cはconveyer=輸送機をそれぞれ指す。

以上のような例を挙げると、いかにも私が好戦家のように思われそうだが、筋金入りの軍備増強反対派である。

次に、パソコンやインターネットに関連するものをいくつか取り上げてみたい。

まず、HTTPとはhypertext transfer protocolの略称で、ネット上での通信に関する規約(手順)を指す。HTTPでは、データを受信する側(クライアント)が要求をサーバーに伝え、それに対してサーバーが応答する。我々は何気なくサイトを見ているが、機械的にはこういうプロセスを踏んで、結果として目的のサイトに行き着くのである。実に便利になったものである。

URLとは、uniform resource locatorの略称で、インターネット上に存在する文書や画像などの情報資源の場所を指し示す技術方式で、いわばサイトの住所である。適当な和訳は見つからない。

サイトの最初に出てくるWWWはworld wide webの略で、世界中に張り巡らされたクモの巣のような(ドキュメント同士の)つながりという意味である。

HTMLはhyper text markup languageの略称で、「ハイパーテキストに目印をつける言語」といった意味である。 ハイパーテキスト=HyperTextとは、ハイパーリンクを埋め込むことのできる高機能なテキストである。 そしてハイパーリンクとは、ウェブページで下線の付いたテキストなどをクリックすると別ページへ移動するリンクのことである。HTMLには、このハイパーリンク機能で関連する情報同士を結びつけて、情報を整理するという特徴がある。

ファイルの形式でPDFというものがあるが、Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)の略で、紙に印刷するのと同じ状態のイメージで保存する形式を意味する。

CPUとは、中央演算処理装置=Central Processing Unitの頭文字をとったもので、要するにコンピューターの中枢部分であるが、これは感覚的にわかりやすい。

次にUSBだが、Universal Serial Busの略である。busとはデータの伝送路(交通機関のバスと同源)で、serial busとは一度に1ビットずつ逐次的にデータを送ることを指す。ホスト機器(中心となるコンピューター等の機器)に様々な周辺機器を繋ぐための伝送路の規格のことである。universalという言葉通り、USBマークの付いたコネクタは、様々なものと接続できることは実感できよう。

ハブ=hubは、もともと車輪の中央部のスポークが集まるところを指し、そこから複数のネットワーク装置を接続する集線装置を指すようになった。ハブ空港なども同様の使い方である。

ルータ=routerはroute=道、経路から由来し、データを二つ以上の異なるネットワーク間に中継する装置のことをいう。ちなみにhubとrouterは略語ではない。

最近流行りのblog=ブログについて。このコーナーもそのブログである。

blogは、これもれっきとした造語で、web(ウェブ)上にlog(ログ:記録)を残すという意味のweb log(ウェブログ)の略である。ちなみに、この-logはカタログ=catalog 序文=prolog 結末=epilog 独白=monologにも使われている(-logueとも書かれる)。それにしても中途半端なところで切ったものだとも思うが、microphoneも「マイクロ」ではなく「マイク」という切り方をするのと同じようなものか、このあたりは勉強不足でよくわからない。

DVDはDigital Versatile Discの略で、この中で馴染みの薄いVersatileとは、「多機能な」といった意味である。

今度は、車に関する略語を挙げてみたい。

近年流行りのハイブリッドカー(HV)はhybrid vehicleの略で、二つ以上の動力源を持つ車を指す。日本で一般的にハイブリッド車と呼ばれるクルマは、内燃機関(エンジン)と電動機(モーター)を動力源として備えた電気式ハイブリッド車でhybrid electric vehicle =HEVである。ちなみに電気自動車はEV=electric vehicleである。

ターボ等、過給機搭載のエンジンに対し、自然吸気のエンジンをNAというが、これはnatural aspirationの略である。

4WDは四輪駆動でfour-wheel drive の略、または all-wheel drive(総輪駆動あるいは全輪駆動)の略でAWDとも表記される。ちなみに、前輪駆動はFWD=front wheel drive、後輪駆動はRWD=rear wheel driveである。

蛇足ながら、ハンドルもホィールというが、正式にはsteering wheelで舵輪と和訳される。

SUVとはSport Utility Vehicleの略で、スポーツ用多目的車と和訳される。  似ているものに、RV=レクリエーショナル・ビークル (アメリカ英語: Recreational Vehicle)というものがある。もともとはキャンピングカーを指したようだが、要するに娯楽用のクルマといった意味であろうか。

現在は、前者は主に舗装されていない道を走行することに適したクルマを指し、後者は、前者に加え、ワゴンやミニバンも指すようである。

GTはグランド・ツーリング(Grand Touring)の略で、本来の意味は、かつてイギリス貴族の子弟が行っていた「グランド・ツアー」つまり「大旅行」に由来する。転じて長距離移動を快適に行うための乗用車を指すようになった。現在使われるGTとは随分イメージが異なる。

最後にNGとNPについて。

NGはテレビなどで、ダメ出しや失敗の意味でよく耳にする。もちろんno goodの略だが、和製英語なので海外では通じない。

一方NPはno problemの略で、「問題ないよ」「気にしないで」「平気です」などの意味。医療のカルテでは、特記すべきことなしの意でnot particularの略でNPを用いることもあり、こちらは海外でも通じる。

(群馬県保険医協会歯科版掲載のための原稿)

 

雨続く

今年の梅雨は、いわゆる「梅雨の晴れ間」という日が少なく、雨降りのどんよりした日が続きます。

5月には、「例年の7月並み」という暑い日が続いたかと思うと、今月は「例年の4月並み」の気温という肌寒い日があったり—体調管理が難しいようで、患者さんの中にも咳をしている方がいます。

夏の暑さが苦手な私には、例年より過ごしやすく感じますが、一方で野菜をはじめ、農産物の生育にはどうでしょうか。

左は、特に季節の花というわけではありませんが、家の花瓶に挿してあったガーベラを撮ってみました。

右は、1年前にもアップした、夏の風物詩、ベランダの睡蓮(未草:ひつじぐさ)です。うっとうしい季節には、目につかの間の爽快さを与えてくれます。

すぐ下のヒメダカが見えますか?